精神面のサポートができるのはピアノ教室のメリット
思春期の女の子は難しい
特にピアノを習うのは女の子が多いです
高学年になってくると「難しい年ごろ」に突入
今まで素直に「はい💗」と言っていたのが、
「だるい」
「いやだ」
「つまんない」
という言葉が出てくるようになります。
ピアノのことより、学校や友達などの文句を話したりします。
そんなときは、好きなように文句を言わせます。
寝っ転がりたければ寝っ転がりながら話をさせます。
学校でもない、家でもない場所
大人は息抜きができますが、小学生は自分の気持ちを出す場所がほとんどありません。
子ども達はとても健気で、親が心配することは言いません。
勉強が分からないと言えば、親が心配して学校に言うかもしれない、とか
友達とうまくいかないと言えば、またまた心配させてしまう、とか
かなり気を遣っています。
じゃあ、友達同士で悩みを話すかというと、あまり、しない。
公園で遊んだり、映画を見に行ったりはするけれど、本音で話すということはほぼ、ない。
親にも友達にも話せない悩みをどうするか、と言えば、第三者の大人が聞いてあげるのが一番です。
昔は、近所のおばさんとか、おじさんとかのつながりがあったかもしれませんが、今の時代、そうした「第三者の大人」の存在は皆無でしょう。
その点、ピアノ教室という場所は、小さい頃から毎週通う場所。
子ども達の悩みの受け皿になりえます。
長年つきあうから変化に気付く
最近の学校は、毎年のようにクラス替えがあり、担任の先生も変わるので、継続して子どもを見る、ということがほとんどありません。
良い面もありますが、カバーできない部分もあります。
当教室では、年長さんくらいから小学校卒業まで通い続けて下さる生徒さんが多いのですが、そうすると7年間は、ほぼ毎週顔を合わせる生活になります。
継続して子どもを見る、という体制が自然にできるのがピアノ教室です。
ある日突然、ピアノ室に入るなり、「イラストが描きたーい」と叫び、書かせてあげたら、上手な絵をかきました。
でも、「おこり」と。
笑顔を書くとばかり思っていたので、ちょっと驚きました。
今のブームなのか、それともその子の気分なのか?
疑問はありますが、聞いても「この絵が好きだから」という答えが関の山なので、聞きません。
その代わり、何か変化がないか、よく注意します。
今まで、お家でたくさん練習していたのに、しなくなったという現象が現れました。
すると、学校の行事で大役を任されてとても心配している
ということがママとの会話で分かりました。
変化があったらお世話に徹する
そんな時は、まず、表情がつかれています。暗い顔をしていたり、ため息をついたりです。
レッスン室に入るなり寝っ転がる子もいます。
そんな様子でも、私はダメと言わず、ひたすら観察してしまいます。
昔は、驚いて怒ったりしましたが、自身の子育てや、言葉を話さない犬との生活などを通して、まずは「観察」と思うようになりました。
なぜ、こんな様子なのか、何があったのか、
聞けるときは聞きます。
時には飴を出したりもします。
のどが渇いていたら、飲み物を出します(ジュースではなく「水」安上がりで申し訳ない)。
飲んでいる間、「聞いててね」と言って、生徒さんが弾くはずの曲を私が弾きます。
この前は、
「ぜいたくだ~」と言っていました。
この言葉の裏には、
本当は、レッスンなんだから、ピアノを弾かなきゃいけないんだけど、練習してないし、うまく弾ける気もしない。うまく弾けないのに弾くのは辛いな。お母さんにこんな姿見られたら申し訳ないな。先生はダメって言わないんだな。
こんなことを思っているのではないか、と想像します。
人は、辛いとき、お世話されるとホッとします。大人も子どももです。
だから、せめて飴と水(水でゴメン)で「あなたのこと、見てるよ!大丈夫だよ!」とサインを出しているつもりです。
伝わっているか全くわからない時もありますが、それでも、気分が乗らないそんな状況も、今のあなたなんだから、受け入れるよというスタンスでいます。
「ぜいたくだ」と言った子は、レッスンの最後は生き生きとピアノを弾いていきました。
子ども達を応援したい
子どもに悩みはないだろうなんて、全くの見当違いで、本当に色々感じて考えています。
悩みを言葉するのが難しいので、表情や態度に表れます。
1週間に1度会っているからこそ気付く変化を見逃さないようにして、親御さまと協力して、良い方向に向かうよう気を付けています。
子どもが悩みから解放されて、笑顔でいるためには、悩みの元を出させて、周りでフォローしていかないといけません。
そのために、変化は親御さまとしっかり共有し、時には子どもには内緒で「こうする」と計画を立てたりします。
難しい時期が過ぎると、自然に大人への階段を自分で上がっていきます。