講師 岩下春江
だれもが活躍できる音楽をしたい
小学校の頃から、学校の音楽の授業に疑問を持っていました。
ピアノを習っていると楽譜が読めて、授業が有利になる。
たとえば合奏では人気の楽器を受け持つのはピアノを習っている子。ピアノ伴奏をすれば花形になれる。
でも、学校なんだからスタートは一緒のはず。学校以外の習い事が授業で有利になるのはおかしいと思っていました。
どうしてそんな風に思ったのか、今考えると不思議なのですが、自分の中にはいつもそのことがありました。
「音楽をつくる」なら誰でもスタートラインは一緒
音楽の授業への疑問はずっと持ち続け、音楽を続けていました。
転機は、花井清先生が大学にやってきたこと。カールオルフの音楽教育を実践し、筑波大学付属小学校で活躍されていました。
花井先生は、「すべての子どものための音楽を」という理念で、「音楽をつくる」授業をたくさん教えてくださいました。
ピアノを習っている人でも、音楽初心者でも同じスタートラインに立てる音楽を見つけました。
茗荷谷の筑波大付属小に通い詰め、ザルツブルグのオルフ研究所の夏期講習にも参加し、音楽は楽しいということを体感しました。
そしてただ楽しいだけでなく、音楽の本質にじかに触れる経験も多く積むことができました。
辛くて楽しかった学校の先生時代
そんな楽しい音楽を見つけたのに、学校の現場では、使えませんでした。
中学校に勤めていた時の、合唱コンクールは、歌いたくない生徒たちを強引に声を出させる指導をしなければならないのがとても辛かったです。
音楽が好きな子はいいです。でも思春期の特に男子は、声、歌うことにとても抵抗を感じます。でも、「合唱コンクール」という正当な理由で「歌わせなければならない」のです。
小学校に転勤になりました。今までためていた音楽をつくる活動をできるようになりました。
音楽が苦手だった男子たちが、生き生きとして楽器を演奏したり、身体で表現する。グループで相談しながら音楽をつくる。
なんて楽しく、子ども達は生き生きと活動できるのだろうと感動することが多くありました。
音楽で自分を表現するには、ちゃんと認められる、怒られない、という雰囲気がなければ子ども達は生き生きとできません。
そんな経験が今もずっと生きています。
教室に来たら本当の自分を出していいんだよ
こんな経験があるので、音楽をするには自分を出せる安心な場所であると示さなければならない、と思って今までやってきました。
子ども達は、ピアノを習うことを通して、本当の自分に向き合っている時間を過ごしているように感じます。
辛いことがあると、寝っ転がってグチを言ったり、親に言えない悩みをちょっとつぶやいてみたり、思いっきり笑ったり、
お家や学校で見せない顔を教室では見せてくれるようです。
教室での様子は必ず親御さまに報告するのですが、「そんなことしているんですね!」と驚かれます。
その驚きは、まるで家にいるようにくつろいでいるということと、本音を言っている、ということだとおっしゃいます。
ピアノは基礎基本をちゃんと教えますが、そのために自分を安心して出せる教室であることを大切にしていきたいと心がけています。
1968年長野県生まれ 長野県育ち
全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)指導会員
岩下作文教育研究所の先生でもあります。
岩下電気商会|いわ電の広報、経理もやっています。
信州大学大学院修了(音楽教育)長野県公立小学校、公立中学校で6年間音楽専科として勤務
ザルツブルグ オルフ研究所夏季研修ツアー参加
バスティン夏季特別講習ベーシックス修了
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