どうしてもやってしまう子どもがやりがちな間違った練習方法

練習していて間違った!さて、どこから練習し直す?

練習するということは、間違うこともあります。

間違った時にどうするか、が大切です。

子ども達の多くは、どこに戻ると思いますか?

 

 

一番初めに戻る

 

 

25年間子ども達を見てきましたが

本能なのでしょうか?習性なのでしょうか?

必ず最初に戻るのです。

 

例えば、4小節目で間違えたとします。

一番初めに戻ります。

 

2小節で間違えても一番初め。

 

8小節で間違えても一番初め。

 

この戻り方がストレスがたまって上達を妨げる原因となります。

 

 

 

弾けていると思っていたら全く弾けていなかった合唱の伴奏

この法則?に気付いたのは、中学校の先生をしていた時です。

合唱コンクールではピアノ伴奏がつきものです。

 

そのピアノ伴奏は、自分で練習して弾けるようになっているものと思っていました。

休み時間などにちょっと弾くのを聞いても、弾けている感じだったので、安心していました。

 

さて、合唱と合わせる日が近付いたのでピアノ伴奏の子の演奏をチェックすることにしました。

1対1で弾いてもらうと、最初の4小節は完璧!!

よしよし、いい感じ~

 

さて、あれ?次は?????

次に行かれず、また最初から。

5小節目で間違えて、また最初から。

それを延々と繰り返す・・・・・(@_@;)

完璧に弾けたのは4小節!!!

 

焦りました。

悪気でやっているわけではない。非常にまじめに練習している

この子は、練習を怠ったわけではありません。

できるようになる練習をしていたのだけれど、その方法が

間違ったら、最初から弾きなおす、

だったわけです。

 

すごく真面目で一生懸命でした。

 

かわいそうになってしまいました。

 

 

どうすればいいの?

間違うところは、1カ所です。

それも、突き詰めるとたった2つの音だけなのです。

 

弾き直す時、子どもに「どこで間違えたの?」

と聞くと、楽譜を示せない場合があります。

 

間違えた箇所を認識できていないのです。

間違えを認めたくない、という心理や、楽譜をおおざっぱに見ているなど

いくつかの原因があります。子どもによって違うのでよく見ます。

そして、間違えたところをいつも最初から弾き直すことを自覚していない場合もあります。

 

間違えて、最初から弾き始めたらこんなふうに聞くことがあります。

 

 

岩「今、どこから弾き直したの?」

「最初から。」

岩「でもさ~最初から弾いて、また、そこで間違えたら、最初にもどるの?」

と聞いた辺りから、ハッと表情が変わります。

 

岩「間違えたらさ、じゃあ、どこから練習すればうまくなる?」と聞くと、

「間違えたところ」

と答えます。

 

 

間違える場所はどこか知る。そして、究極の2つの音まで原因究明

「間違えるところはどこ?」

と聞いて、自分の間違いをまず自覚させます。

そこだけ弾かせてみて、どこが弾けないのかさらに突き詰めます。

その作業をしていくと、2つの音だけが上手くつながらない、という現象が見えます。

 

そんな風に気をつけていくと、最初から戻らず

効率的に練習ができるようになっていきます。

 

案外、大きくなっても、

「間違えたところから弾く」のができない子もいます。

当教室で使っている教材「バスティンシリーズ」を執筆したバスティン先生は、

「曲のどこからでも弾ける練習を」と仰っていますが、

まさに、こんな場合、に当てはまります。

 

 

合唱の伴奏は無事完成しました

最初の4小節しか弾けなくて焦りましたが、一番困っていたのはその子なので

上記の練習方法を教えて、本番を無事立派に弾くことができました。

それ以降は、合唱の伴奏は早めにチェックして、効率的な練習ができるようにアドバイスするようにしました。

 

 

 

 

岩下音楽教室 岩下春江

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