直木賞のあの話題作「蜜蜂と遠雷」読みましたか?これは読む音楽です
川口市柳崎 岩下音楽教室 岩下春江です。
直木賞で恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」が受賞しました。
音楽ファンの方々はこぞって読んだはず。
私も何とか手に入れたものの、あまりの厚さにおののきました。
私に読めるのか・・・と
3センチ越えです。
カバーを取ったら光沢のある黒。
どう考えてもピアノを表していると思えません。
大学生の読書時間が減っていて問題だとニュースで報じていましたが、
40代後半のわたくしも、活字から遠ざかっております((+_+))
でも、使命感で読みました!友達が「読書感想文を待っているね♡」
とプレッシャーをかけてくれたから^^;
ひとによっては、サクサクっとあっという間に読めたようですが、
わたくし、なんと1カ月以上もかかってしまいました(-_-;)
情けない・・・
これから読む人のために言っておきますが、
1カ月以上もかかってもあきらめる気が全くしなかったのです。
途中でやめよう、という気にはならなかった。
ですから、ぜひ、読んでみて下さい!
と、前置きはここまでにして、本題に入ります。
ずばり、「すごい!!!」です。
音が言葉になっている。
ちゃんと。「そうそう、そういう感じある!」と共感する部分と
「上に行く人は、そう感じているんだな」と憧れの部分。
すべて言葉で表されています。
今まで音楽、特にクラシックが関わるドラマや小説に接した中で、
一番よくできている!と感じました。
サスペンスもので、ピアニスト殺人事件みたいなものは、
付け焼刃でまったくピアニストに見えず興ざめ、ということが多いです。
その点、うそも付け焼刃も全くなし!
音楽が1冊の本につまっている。
作者の恩田陸はこの本を書くのに
構想12年、取材11年、執筆7年 かけています。
納得です。
クラシックを文字にするにはこれだけの年月が必要なのですね。
クラシックが「聴きべりのしない音楽」であるからこそ、です。
そして、クラシックになじみがない人にも分かるように
難しい言葉は一切使わないようにした、と新聞記事にありました。
音楽用語もありません。
「フォルテ」も、「クレッシェンド」も見た記憶がありません。
考えてみれば、「フォルテ」は「強く」と記号では言うけれど、
作曲家や時代、曲の雰囲気によって
「強く」とひとことでは片づけられません。
そうしたニュアンスをすべて言葉で表している。本当にすごいです。
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ピティナも受賞後すぐに、作品の中に出てくる曲の再生リストを作りました。
本物のコンクールの音源を中心に集めてあります。
読んで聴いて味わう、今までにない深い作品だと感じました。
追記
ピアノ仲間の鈴木麻沙子さんがブログで紹介してくださいました。
このブログを読んでご自身も購入したそうです。
ありがとうございます!