楽しいレッスンとは?
「楽しい」は色々な意味がある
- ゲームをして楽しい
- 友だちと遊んで楽しい
- 旅行に行って楽しい
子ども達は、日常的にいろいろな楽しさを味わっています。
でも、「ピアノを習って楽しい」というのは、上記のどれとも違います。
このことに、習い始めは分かりません。一度、発表することを経験すると実感できるようになります。
ピアノを習って「楽しい」と思える時
ピアノは、他の習い事とちがうことが多くあります。
まず、お家で練習しなければならないこと。
それから、発表会の時、ひとりだけで大きいステージで弾く機会があること。
これらを克服するために毎回のレッスンで鍛錬していきます。
私が気をつけていることは
- 分かること
- できること
- 分からないことを「分からない」と言えること
この3つが大きいと考えています。
分かる
音楽の内容が「分かる」ということが大切ですが、それよりもピアノを続ける上で一番で難しいのがお家練習の方法です。
お家でどんな風に練習すればよいか「分かる」ことができると、ピアノが楽しくなります。
ですが、お家での様子は、講師は見ることはできません。
習い始めは、親御さまとよく相談しながら、できる範囲で続く方法を一緒に考えます。
もちろん、生徒さんも、どんな方法ならできるのか自分で決めてもらう部分もあります。
やらされていると感じてしまうと続けるのはつらくなってしまいます。
できる
小さな「できる」は一週間お家で練習してきて、レッスンの時「できた!」という喜びです。
「お家で練習しても全然できなかったから心配」、と生徒さんが言う時があります。
でも、できなくても正しい方法で練習することで、1週間後のレッスンでできるようになることはよくあります。
自分が毎日努力したから「できる」が味わえたんだ!という実感を持てるようになっていきます。
そして、一番は発表会です。
たくさん厳しい練習をして、発表会に向けてがんばる。
ステージの上でひとりでピアノを弾く緊張感を味わう。
そのときの達成感、充実感は最大の「できる」です。
「できる」を味わうと、ピアノを習うのは【遊んで楽しいということと違う】、と気付くようになります。
分からないことを「分からない」と言える
「分かる」、「できる」を実現させるために大切なことは
分からないことがあったら「分からない」と言えることです。
講師は、生徒さんの特性を見極めて、お家の練習の宿題を出したり、曲を選びます。
ですが、それを、生徒さん本人も納得しているかというと、必ずしもそうではありません。
「お家の練習の仕方が分からない」
「この曲は弾きにくい」
など、生徒さん本人、もしくは親御様から言って頂いてはじめて、成長していかれます。
しかし、「分からない」と先生に言うのは、勇気がいること。
私自身も、子どもの頃、先生に「分かりません」と言えませんでした。
生徒さんたちには、何でも言ってもいいんだよと伝え、
安心で安全な場だと思ってもらえるよう、常に心がけています。
ですから、家族や友だちにも言えない悩みを話すときもあれば、
勉強がつらいとか、実は、泣いたとか、思わぬ話題が出るときもあります。
そんな時は、話せばスッキリして気持ちが楽になるようです。
学校でもなく、塾でもなく、何でも言える場所がピアノ教室
というのも、子どものひとつの居場所になるのかもしれない、と最近思います。