第12回発表会の様子
発表会の参加は希望者のみ
100回の練習より1回の本番
という言葉があるとおり、本番を経験することは成長のスピードを加速させます。
とはいえ、世の中の状況もいろいろ、ご家庭の考えもいろいろ、ということで、参加は希望する方のみとしています。
参加を見合わせる方はとても残念ですが、お話を伺い、私自身もそして生徒さんも納得できるようにします。
今回は、課外活動でリーダー的立場の生徒さんがいました。課外活動の発表が、発表会と近い日程になっており、参加をとても迷いました。
課外活動とピアノの発表会の両立も考えられますが、体力的、精神的な面など生徒さんが納得できる成果を得るには、どういう方法がいいかが大切です。
中途半端が一番よくないと思います。
思い切って、課外活動に力を入れると決められました。
残念でしたが受け入れました。
まだ人生は長い。
ピアノの発表会はこれからも出ようと思えば出られます。一生楽しめるピティナピアノステップもあります。
今しかできない学校生活の課外活動。体力も精神面も疲弊することなく取り組めているようでした。
少ない参加者での工夫
当教室の発表会は、ここ数年、10名以内でおこなっています。
普通のピアノ教室の発表会は集合写真が2列以上でたくさんの生徒さんが写っていますが、当教室は普通では発表会と呼ばないような小さな規模でおこないます。
会場はコンパクト
客席とステージがとても近いです。演奏者は「袖(そで)」から出るのではなく、客席から上がります。そして、そのまま客席に降りてほかの生徒さんの演奏を聴きます。
ある意味、観客の顔が分かるので大ホールと違う緊張感があります。
出番がたくさん
今年の最高は5回でした。コロナ禍の前は連弾などもたくさんおこなったので、6回、7回という生徒さんもいました。
参加賞をお渡しするときも、全員ステージに上がって名前を呼ばれます。
何度もステージに上がることが、緊張に慣れていくのに大切だと思っています。
発表会のこだわり
できるだけみんなが関わるように
今回参加できなかった子はイラストが得意だったので、表紙をお願いしました。当日は参加できなかったけれど、プログラムには
「表紙 ○○さん」と書き入れました。
保護者の皆さんにも、仕事を通して親しくなってもらえたらと思っています。ピアノ教室は、レッスンで保護者同士で会うことはほとんどありません。年に一度の発表会で、慣れた方も初めての方も情報交換などの機会になれば、と思います。
皆さん、受付の設営やホールのドアの開閉など、気持ちよく仕事をして下さって、気付いたらゴミひとつ落ちておらず終わっていた、というありがたい状態でした。

表紙で「参加」の生徒さん
当日の動きがイメージできるタイムスケジュール
集合時刻や何時に何をしていくかというタイムスケジュールを皆さんにお渡ししています。このプリントさえ見ておけば、動きが分かる、というものです。
ドアを開ける時間、閉める時間、そして椅子、譜面台、足台もどこで必要か書いておきます。
最後の「完全撤収」までの一連の流れを細かく書いて、自分でもイメージしつつ準備します。
開場後、休憩中にはBGMを
大ホールなら必要ないのですが、小さなホールだと演奏していない時は座っているだけで緊張感があります。
そこで、開場して開演までの時間、休憩中にはBGMを流しています。
それだけで緊張感が薄れますし、曲によってはちょっと高級な場所に来た雰囲気を感じます。
ただし、ピアノの音が入らないようにしています。本番がピアノなので、比べないようにするためです。今年は静かなオーケストラの曲を流しました。
全員からメッセージをもらえる
参加賞の中にアンケートを入れておきます。その中に個人あてにメッセージを書く用紙も入れます。生徒さんと親御さまそれぞれ書いて頂きます。ちょっと手間がかかって大変ではあるのですが、全員分を切り張りして、「みんなからの感想だよ」と渡します。
「自分のことも褒めてね」と入れて、自分が頑張ったことを自分が褒めるということも大切にしています。
私の分も(強引に!)書いてもらうのですが、嬉しく読ませて頂き、次も頑張ろう!と思えるメッセージです。
うまくいかなかったからリベンジ?
発表会が終わった後、生徒さんが「来年も出る!」と親御さまに言ったそうです。
今、発表会が終わったばかりなのに、もう来年?
本番で思うように弾けず、悔しい思いがあったようです。リベンジするとのこと。
発表会での失敗は、一生ピアノを弾きたくないと思ってしまうので、私は絶対に失敗させないようにしています。
「絶対」という言葉はありえないので使うのに抵抗がありますが、
今まで、発表会で見た失敗や、自分も失敗した経験から、人前で演奏する発表会での失敗は絶対させたくないのです。
今回、発表会でのうまく弾けなかったことが思わぬ決意を生むことを知りました。
この生徒さんは、「失敗」していません。ミスはしましたが。
何年も発表会に出続けて、今までは、その時持てる力を十分に発揮していました。成功体験がたくさんあります。
成功体験があれば、うまく弾けない経験はリベンジという新たな決意に変わることもある。
発表会は何が起こるか、何が生まれるか分からない面白さがあります。
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