電子ピアノの練習はヘッドフォンは使わないでとお願いしています
電子ピアノの良さはいつでも弾けること
電子ピアノにはヘッドフォンがついているので、時間を気にせずいつでも練習できるのがメリットです。
時間だけでなく、同じ部屋に家族がいてもヘッドフォンさえつければ、家族に音を聴かれることなく、自分の世界に入っていられるのも大きな魅力です。

(c)ピティナ
習い始めはヘッドフォンをおすすめしません
趣味で弾く範囲であれば、ヘッドフォンを付けて、自由に楽しめばいいですが、ピアノを習うとなったらヘッドフォンをつけるのは、やめてもらっています。
理由は
- レッスンの時、グランドピアノを弾いても思うような音が鳴らない
- 「お家で弾けたのにレッスンで弾けない」という状態になる
- 音が空間を伝わって自分の身体に響く感覚を味わえない
特に、習い始めは手や指の使い方がとても大切なので、どんなふうに音が鳴るのか感じる必要があります。
よく言う「指の力が弱くなる」という状態になりがちです。
さらに音量はできるだけ最大に近く
電子ピアノによって違うと思いますが、本物のピアノと同じ音量に近い音を出さないとピアノの感覚がつかめません。
子どもが「ピアノを習う」ということは、突き詰めて言うと、グランドピアノを上手に弾くことです。電子ピアノやキーボードを使うユーチューバーになるのは、ピアノを習ってスキルが身に付いてからです。
グランドピアノをちゃんと鳴らせるために、電子ピアノで練習するには、小さい音では効果がありません。
音量が小さいと、指の力、タッチがどうしても弱くなってしまいます。
お家で弾けたのにレッスンでは弾けないのはなぜ?
まじめな生徒さんがいました。よく練習している様子を話してくれました。でも、レッスンでは注意されることが多い。
なぜだ、おかしい。
話を聞くと、「お家ではちゃんと弾けたの。でもここ(レッスン)に来ると全然弾けないの。」
と言います。
さらによく聞いてみると、練習するのが夜の8時過ぎになってしまうので、ヘッドフォンを使っている。家族に迷惑にならないようにさらに音量を小さくしている
ということが分かりました。
試しに、次の週、ヘッドフォンを外し、音量をできるだけ最大にして練習してきてもらいました。もちろん、練習時間も早めにしなければなりません。ご近所迷惑になりますから。
すると、レッスンでもちゃんと弾けたのです。
この生徒さんのことがあって、ヘッドフォン無し、音量最大をおすすめするようになりました。
電子ピアノの性能は日々向上しているので、以前ほど問題はないと思いますが、それでも、「ピアノを習う」子ども達にはグランドピアノが上手に弾けることを最終目標にしていきます。