「あなただけを見ています」マンツーマンだからこそ気をつけていること

好きだった声楽のレッスン

学生時代に習っていた声楽の先生は、とにかくすごい人でした。

歌もすごかったけれど、生徒に対する姿勢が半端なく徹底していました。

歌だけでなく、生き方のアドバイスをしてくれたり、ご飯をたくさん食べさせてくれたり、この先生のおかげでまっとうな大人になれたようなものです。

 

生き方のアドバイスは、的を射ていて参考になることずくしでした。

相談できるということは、何でも話していい「安全地帯である」と自分が認識できた場所なわけです。

本当に、何でも言っていたし、数多くのお弟子さん達もいろいろな相談をして、先生を慕っていました。

 

 

「楽譜を開けば誰が歌ったか分かるのよ」

声楽もピアノと同じように、誰もが持っている同じ教材があります。ピアノで言ったらハノンとか、ブルグミュラーなどです。

ある時、今日のレッスンの曲はなんだったかな、と楽譜をひらいていた先生のひとことがすごかった。

 

「楽譜を開けばね、春江ちゃんが歌ったかどうかが分かるのよ」

 

これには参りました。

先生は、私がどこまで進んだか、メモを取る人ではありませんでした。

でも、楽譜を見れば私が歌ったかどうかが分かる。
記憶力がとてもいい! そして、ひとりひとりを真剣に見てくれている証拠だと、この時思いました。

 

私だけを見ていて欲しい

人生相談もできて、歌もちゃんと教えてくれる先生のことが私は大好きでした。

他の人のレッスンより、大切にして欲しい、と嫉妬心もあったと言えます。

だから、レッスンのたびに、先生は今、私だけを見ていてくれているのだろうか、他の生徒さんの方が大事なのではないだろうか、

そんな心配が頭をもたげるのです。

 

そう言えば、ピアノのレッスンもそうでした。

私は他の人と比べて、どれだけ先生に大切にされているのだろうか

そんなことを無意識のうちに感じていました。

 

マンツーマンのレッスンは「あなただけを見ています」という貴重な時間

先生側からすると、マンツーマンのレッスンは、毎日何人もの人とおこなうもので、今、教えている生徒さんは、何人かのうちのひとりにすぎません。

でも、受けてくれている生徒さんは、1週間に1度、先生に会いに来る。

先生は、私のためだけにレッスンをしてくれる時間。

そんな風に感じているはずです。

 

 

その気持ちを、教える方の先生としては、大切に受け止めなければいけないと思っています。

私は、声楽の先生のように、曲を聴いただけで誰が弾いたかを思い出すことはできません。

代わりに、生徒さんごとに毎回記録をしています。

20年以上使ってるノート

頂いたお手紙も入ってます

記録ノートには、どんなおしゃべりをしたかも記入

このノートは、学校の先生時代から使っているので、かれこれ20年以上使っています。

見出しに生徒さんの名前を書き、すぐに開けるようにしています。

その中には、

「髪の毛がせんたくばさみでとめられていた」とか

「背が10㎝も伸びたらしい」とか

「ローファーにあこがれているそう」

せんたくばさみでとめるなんて面白い!
写真撮らせて、とお願いした

 

 

なんてことも書きます。
ローファーは発表会で見たお姉さんたちがかっこよかったみたいで、買ってもらったと言っていました(^^)


どんなおしゃべりをしたかも、覚えていてもらいたいと思うのが、マンツーマンのレッスンを受ける人の気持ちだと思うからです。


これからも、慢心することなく、心して子ども達に向き合いたいと
決意を新たにしたのでした。




岩下音楽教室 岩下春江

埼玉県川口市柳崎5丁目
(ヨークマート柳崎店徒歩2分)

川口市立在家小、柳崎小、在家中
さいたま市立大牧小
浦和ルーテル学院中学校

などの生徒さんが通っています。

お問い合わせのみでもお気軽にどうぞ(^^)

Tel 048-269-5131(平日9時~20時)