朝ドラ「エール」最終回から感じた音楽

朝ドラ「エール」最終回

「朝ドラ」とは朝に放送される帯ドラマのことを言うそうですよ。特にNHKの「連続テレビ小説」をさすことが多いと、コトバンク→に書かれていました。

今や略語が一般的になってしまって、略していない本当の名はなんだろう?と調べてしまいました。

今までは最終回は、普通に「これで終わり」という感じのものでしたが、今回の「エール」は前代未聞のコンサート形式。

モデルが古関裕而という作曲家だったということで、良いアイデアだったと私は思います。

「岩城さん」の「イヨマンテの夜」にびっくり!

エールコンサートはNHKホールで収録されており、まるで紅白歌合戦のような豪華なステージでした。

★エールコンサートの裏側&クランクアップシーン(NHK連続テレビ小説エールより)

そして、一番びっくりしたのが馬具職人の岩城さんの「イヨマンテの夜」。

声が強い人でないと歌えない曲ですが、見た目と歌声、曲もピッタリで感動!これはすごいとしか言いようがなくて、SNSでつぶやき、いろんな動画を見続け、朝、昼、録画と1日に3度も見ていたという、私史上かなりハマった音楽でした。

岩城さんこと吉原光夫さんは、ミュージカル俳優だということをこの日に知り、とても有名だったとこちらも驚きでした。

 

★【エール】最終回は熱唱の嵐 古関メロディーの多彩さと圧倒的だった“岩城さん”(オリコンニュース2020/11/27)

 

 

選曲の妙

「イヨマンテの夜」は、例えば歌がうまい山崎育三郎さんでも歌えると思います。でも、これは、吉原光夫さんでなければ良さが出ない。

 

その前に堀内敬子さんが「フランチェスカの鐘」を歌いましたが、イヨマンテが無かったらこちらが一番!でした。歌い始めた瞬間、「これはすごい!」と堀内敬子さんの印象がガラッと変わってしまいました。いつもは普通のその辺にいる主婦の役が多いので、まさか歌を歌える人とは思っていませんでした。

堀内敬子さんもミュージカルで歌える人、と知ったのもこの時です。難しいメロディーをうまく歌ってるし、声も負担なく柔らかい。

井上希美さんと小南満佑子さんのモスラも二人の声の質が合っていて、とてもきれいなハーモニーでした。

 

このドラマは歌える人がたくさん出演していたので、誰がどの曲を歌っても歌えるはずだったと思います。でも、このコンサートは選曲の妙が際立ったと言えるのではないでしょうか。歌い手の声と雰囲気がピッタリでした。子どもは子どもらしい曲、薬師丸ひろ子さんは、透明な声に合った「高原列車は行く」。

すごく良い選曲だったことがたくさんの人に響いた理由の一つだと思います。

 

 

 

 

 

古関裕而の名が広まらなかった訳

「エール」が放送されている最中、世の中では、なぜ、こんなにたくさんの曲を残した古関裕而の名が広まらなかったのかという話題が多くありました。

新聞広告で「古関裕而曲集」のCDセットなどが売られているのを見ると、なんと多くの、それも種類がさまざまな曲が並んでいるのには驚きました。

モスラも?六甲おろしも?戦時中は戦時歌謡をたくさん作曲しました。

 

これらを見て私が思ったのは、【曲に統一性が全くない】ということです。

多くの曲は、聴くと作曲家が想像できます。例えば、エールにも出ていた「小山田先生」のモデルの山田耕作の「からたちの花」「この道」「赤とんぼ」などは曲の感じが似ています。

モーツァルトやベートーベンもだいたい曲と作曲者が結びつきます。

ドラマの音楽でも「この感じはあの作曲家かな?」と思って最後のテロップで確認すると合っているということがあります。

ところが、古関裕而の曲は、どの曲も全く違っていて結びつかないのです。

統一性がないから予想ができないのです。

エール最終回のコンサートでも、これがひとりの作曲家が作ったのかと思うほど多岐にわたる曲でした。

 

音楽の中の違った分野で、全く違った感じの音楽をつくるのは、非常に難しい。もしかしたらありえないのかもしれません。だから、曲は有名でも古関裕而の名は広まらなかった。

そして、それぞれの音楽がとても良いものだったから、曲自体が独り歩きして、作曲家より有名になっていった。

それが、作曲家古関裕而の名が広まらなかった理由ではないかと、私は想像します。

 

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