「何か弾いて!」と言われて「エリーゼのために」弾けますか?

何も弾けない自分に愕然とした思い出

大学までとにかくレッスンを頑張ることが音楽をすることだ、と思っていた10代の頃。

どこかへ遊びに行ったときだと思うのですが、その場所にピアノがありました。

私はピアノを習っている人間として認識されていたので、周りから

 

「ねえ、何か弾いてよ!」

リクエストされました。

楽しい雰囲気だったので、ここでピアノを弾いたらもっと楽しいな、と思ってピアノの前へ。

 

愕然としました。

 

私は、楽譜がないと全く弾けないのです

つまり、こんな時に弾けるレパートリーはゼロ、ということを初めて認識しました。

保育園の頃から頑張ってピアノを習っているのに、いざと言うとき、何も弾けない。

 

これって、どうなの?ピアノを習っている価値があるのか?

自問自答しました。

 

レパートリーを増やすための練習をしました

逆に言えば、楽譜さえあればなんとか弾けるのです。

でも、遊びに行った場所に、突然ピアノが現れる場面で、楽譜はありません。

「何か弾いて!」と言われたときこそ、弾ける曲を持とうと、練習を始めました。

一番効果的なのは何か?

 

やはり、「エリーゼのために」以外に考えられませんでした。

まずは、「エリーゼ」を暗譜(楽譜を見ないこと)で弾けることを目標にしました。

 

「エリーゼのために」をどんな場所でも弾ければ自信がつく

楽譜に頼ってピアノを弾く私には、暗譜はとても大変な作業でした。

今でも、暗譜はつらいです。

でも、子ども達は、好きな曲、弾きたい曲はどんどん暗譜していきます。

そう。

そんな子ども時代に「エリーゼ」を仕込んでおけば、一生困らない

「ピアノを弾いて」のリクエストがあった時、いつでも弾ければ、ピアノを習った価値があるというもの。

だから、レッスンでは、小学校卒業までに「エリーゼ」を弾けるようにすることを目標にしました。

一生かけて曲を味わうのがクラシックの良さ

子ども達は、「エリーゼ」を弾けるようになると、それは嬉しそうに、楽しそうに、何度も何度も弾きます。

音楽から嬉しさとか楽しさがあふれてきます。

それは、弾けるようになった喜びがあふれているからです。

 

「エリーゼのために」はテレーゼという女性のために贈った曲と言われています。

テレーゼのためを思って書いたのかな、とか、どういう状況で作曲されたのかな、ということを

子どもの時は、子どもなりの解釈で。

20代になったら自分で恋愛を経験した時の解釈で。

50代になったら、年下のベートーベンを思って。

というように、自分の年齢とともに解釈が変わるはずです。

それがクラシックの楽しみ方です。

 

 

岩下音楽教室 岩下春江

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